ニッケルチタンファイルって何？？ | 西新宿五丁目駅・都庁前の歯医者

ニッケルチタンファイル：その役割とメリットを解説します

根管治療（歯内療法）は、虫歯が進行して歯の神経（歯髄）が感染した場合に行われる治療法です。この治療の成功には、根管（歯の中の細い管）の適切な清掃と形成が不可欠です。その際に使用される重要な器具の一つが「ニッケルチタンファイル」です。

今回は、このニッケルチタンファイルが根管治療においてなぜ重要なのか、どのような特徴があるのかを、初心者にも分かりやすくご説明します。

ニッケルチタンファイルは、根管内の感染組織や汚れを取り除き、根管を適切な形状に整えるための道具です。名前の通り、「ニッケル」と「チタン」という2つの金属でできており、その特性から従来のステンレススチール製ファイルに比べて多くのメリットがあります。

ニッケルチタンファイルは価格が非常に効果で、保険診療で用いると採算が合わない事から、通常保険診療ではステンレス製のファイルを用いるのが主流ですが、当院では保険診療の患者様にもほぼ全員ニッケルチタンファイルを使用して治療を行っています。

患者様に対するメリットが大きいからです。

ニッケルチタン合金は非常に柔軟性があり、曲がった根管にも追従しやすい特性を持っています。歯の根管はしばしばカーブしているため、柔軟なニッケルチタンファイルは根管の形状に沿って作業でき、壁を過剰に削るリスクを減らします。

繰り返し曲げられても折れにくい性質を持っており、治療中のファイルの破損リスクが低減します。これにより、安全性と効率が向上します。

電動の根管拡大機器と組み合わせて使用でき、手作業よりも効率的に根管を清掃・形成できます。これにより、患者の治療時間の短縮にも繋がります。

ニッケルチタンファイルは均一に根管を拡大できるため、根管充填の際に隙間なく材料を詰めることができ、治療の成功率を高めます。

ステンレススチール製のファイルは、ニッケルチタンに比べて硬く、曲がった根管に対する追従性が低いです。また、過剰な力を加えると根管を破壊したり、器具が折れるリスクが高くなります。一方で、ニッケルチタンファイルは柔軟性と耐久性のバランスが取れており、特に複雑な根管形状に適しています。

近年では、さらに進化した形状記憶性や高い疲労強度を持つ新しいタイプのニッケルチタンファイルが開発されており、より安全かつ効率的な根管治療が可能になっています。また、電動システムとの組み合わせにより、治療の質は今後さらに向上すると期待されています。

ニッケルチタンファイルの導入により、根管治療の成功率は飛躍的に向上しました。患者にとっても歯科医師にとってもメリットが多いため、これからもますます普及していくことでしょう。もし根管治療についての質問や不安がある場合は、当院にご相談ください。