歯科医院でできる睡眠時無呼吸症候群の治療について
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea)は、睡眠中に一時的に呼吸が停止する状態が繰り返される病気で、いびきや日中の強い眠気、集中力の低下などを引き起こします。この病気は放置すると心血管疾患や高血圧などの深刻な健康問題につながる可能性があります。
実は、歯科医院でも睡眠時無呼吸症候群の治療をサポートすることが可能です。ここでは、その治療方法について詳しくご紹介します。
マウスピース治療(口腔内装置療法)
歯科医院で提供される主な治療方法は、「口腔内装置」(オーラルアプライアンス)を使用するものです。これは、睡眠時に下顎を前方に移動させ、気道を広げて呼吸の通りを良くする装置です。マウスピース治療の特徴は以下の通りです:
- 適応範囲
軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群や、CPAP(持続陽圧呼吸療法)が困難な場合に適しています。 - メリット
小型で持ち運びが簡単、非侵襲的(手術を伴わない)であるため、装着も簡単です。旅行や出張時にも手軽に利用できます。 - 製作プロセス
- まずは歯科医院での診断と睡眠検査結果を基に、治療の適応が確認されます。
- 患者さんの口腔内の型取りを行い、個人に合ったオーダーメイドの装置を製作します。
- 完成後、装着感や効果を確認しながら微調整を行います。
歯科治療がもたらすメリット
- いびきの改善
無呼吸症候群だけでなく、いびきの軽減にも役立ちます。いびきが原因で家族と同室で眠るのが難しい方にも効果的です。 - 全身の健康状態の改善
睡眠の質が向上することで、疲労感や集中力低下の改善が期待できます。また、高血圧や心疾患のリスク低減にもつながる場合があります。 - 快適な治療方法
CPAP治療のような大がかりな装置に比べ、マウスピースは患者さんにとって使いやすく、継続しやすいと好評です。
歯科医院を訪れる際の注意点
- 専門医の相談が必須
睡眠時無呼吸症候群は、内科や耳鼻咽喉科との連携が重要です。歯科医院での治療を受ける場合も、まずは専門医に相談して診断を受けることが必要です。歯科保険算定のためには睡眠検査の結果をもとに製作された紹介状が必要です。 - 定期的なフォローアップ
マウスピースの装着や効果を確認するために、定期的なメンテナンスが必要です。また、使用中に違和感や不具合を感じた場合は、速やかに歯科医に相談しましょう。
まとめ
歯科医院での睡眠時無呼吸症候群の治療は、軽度から中等度の患者さんにとって有効な選択肢です。オーダーメイドのマウスピースは使いやすく、日常生活に支障をきたさない治療方法として注目されています。もし、いびきや無呼吸の症状に心当たりがある場合は、一度歯科医院での相談を検討してみてください。快適な睡眠と健康を取り戻す一歩となるでしょう。