抜歯後に長引く痛みの原因とは?
抜歯後に一定期間痛みが続くのは一般的なことですが、通常は数日から1週間程度で軽減するはずです。しかし、痛みが長引く場合には、以下のような原因が考えられます。これらを理解し、適切に対処することが大切です。
1. ドライソケット(乾燥症候群)
抜歯後の痛みの最も一般的な原因の一つがドライソケットです。これは、歯を抜いた後にできる穴(歯槽窩)を覆う血餅が早期に失われ、骨や神経が露出する状態です。
原因
- 強くうがいをする
- 抜歯後すぐに喫煙する
- 血餅の形成を妨げる行動(吸う動作や固い食べ物)
症状
- 抜歯後2~3日目に強い痛みが現れる
- 周囲の組織が腫れることは少ないが、持続的なズキズキした痛みが特徴
2. 感染症
傷口が細菌に感染すると痛みが長引く場合があります。感染は腫れ、発熱、膿の排出を伴うことがあります。
原因
- 抜歯後の適切な口腔衛生が保たれない
- 汚れた指や物で傷口に触れる
症状
- 抜歯後数日以内に痛みが増加
- 傷口から異常な分泌物が見られる
- 発熱やリンパ節の腫れ
3. 神経損傷
抜歯中に神経が損傷することがあります。特に下顎の親知らずを抜歯する際に起こりやすいです。
原因
- 下顎神経や舌神経に近い歯を抜歯した場合
- 手術中の圧迫や切開
症状
- 痛みのほか、しびれや感覚異常が伴う
- 痛みが数週間以上続くこともある
4. 異物の残留
抜歯時に歯の破片や骨の一部が取り残されることがあります。これが原因で炎症や痛みが引き起こされることがあります。
症状
- 抜歯後に傷口が完全に治らない
- 痛みや不快感が持続
- 異物感を感じる
5. 過剰な炎症反応
体質によっては、通常よりも炎症反応が強く出ることがあります。この場合、痛みが長引く傾向にあります。
症状
- 痛みや腫れが通常よりも長期間続く
- 炎症を抑える薬で軽減する場合が多い
痛みが長引いたときの対処法
- 歯科医に相談する 痛みが通常の回復過程を超える場合は、すぐに歯科医に連絡しましょう。ドライソケットや感染症が疑われる場合は早期治療が必要です。
- 適切な口腔ケア 指示された通りのうがいやブラッシングを行い、傷口を清潔に保ちましょう。
- 痛み止めや抗生物質の服用 処方された薬を正しく服用することで、痛みや感染をコントロールできます。
- 喫煙や飲酒を控える 傷の治癒を妨げる行為は避けるべきです。
予防のポイント
- 抜歯後は安静を保ち、指示に従ったケアを行う。
- 喫煙者は抜歯後少なくとも48時間は禁煙を心がける。
- 痛みが強い場合や異常を感じた場合は早めに当院に相談する。
抜歯後の痛みは不快ですが、正しいケアと早期対応で回復を早めることができます。安心して回復を迎えるためにも、疑問があれば遠慮なく当院に相談してください。