金属床義歯とは？
金属床義歯は、義歯の基盤部分に金属を使用した義歯のことです。従来のレジン（樹脂）床義歯に比べて薄く、軽量で、耐久性が高いのが特徴です。使用される金属にはいくつかの種類があり、それぞれに特有のメリットとデメリットがあります。
主な金属の種類と特徴
1. コバルトクロム合金
メリット
- 軽量で強度が高い：薄く作れるため、快適な装着感があります。
- 耐食性が高い：口腔内の酸や唾液による腐食に強い。
- 価格が比較的安価：他の金属と比べてコストパフォーマンスが良い。
デメリット
- 硬い：加工性がやや低いため、調整が難しい場合があります。
- 金属アレルギーのリスク：稀にアレルギーを引き起こす可能性があります。
2. チタンおよびチタン合金
メリット
- 軽量で生体親和性が高い：金属アレルギーを起こしにくい。
- 耐食性が極めて高い：長期間使用しても錆びにくい。
- 審美性が高い：薄く透明感のある仕上がりが可能。
デメリット
- 加工が難しい：精密な加工が必要で、製作コストが高い。
- 硬度が高い：調整には専門的な技術が必要。
3. 金合金
メリット
- 耐久性が非常に高い：変形しにくく、長期間使用可能。
- 生体親和性が非常に良い：金属アレルギーのリスクがほとんどない。
- 腐食に強い：酸化や錆に強く、長く美しい状態を保つ。
デメリット
- 高価：材料費が他の金属に比べて非常に高い。
- 重い：他の金属よりも重量があるため、慣れるまで違和感を感じることがあります。
4. パラジウム合金
メリット
- コストパフォーマンスが良い：金合金よりも安価で、耐久性も高い。
- 耐腐食性が高い：酸や唾液に対して比較的耐性があります。
デメリット
- アレルギーリスク：金属アレルギーのリスクがある。
- 硬い：加工や調整が難しい場合があります。
金属床義歯の選択ポイント
- アレルギーリスクがある場合：チタンや金合金がおすすめ。
- コストを抑えたい場合：コバルトクロム合金やパラジウム合金が選ばれることが多い。
- 快適性や軽量性を重視する場合：チタンが最適。
- 長期間の使用を前提とする場合：金合金が理想的。
まとめ
金属床義歯は、快適性、耐久性、薄さの面で優れた選択肢ですが、使用する金属によって特徴が異なります。患者さん一人ひとりの口腔内の状況や要望に応じて、適切な金属を選ぶことが大切です。歯科医師と相談しながら、自分に合った義歯を選びましょう。
