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咬合圧が強い人に起こりやすい不利益とは?
普段あまり意識することはありませんが、「噛む力(=咬合圧)」は人それぞれ大きく異なります。
健康的な噛む力は1本の歯あたりでおよそ20〜30kgといわれますが、中にはそれ以上の力で強く噛んでしまう方もいます。
咬合圧が強すぎると、さまざまなトラブルを引き起こす原因になります。
1. 歯が欠けたり、割れたりしやすい
強い噛む力が長期間加わると、歯のエナメル質に細かなヒビ(マイクロクラック)が入り、やがて欠けたり割れたりすることがあります。
特に、神経を取った歯やセラミックの被せ物などは、衝撃に弱いため注意が必要です。
2. 知覚過敏が起こりやすい
強い咬合圧は歯根(歯ぐきの下の部分)にまでストレスを与えます。
その結果、歯ぐきが下がったり、歯の表面がすり減ったりして、冷たいものがしみる「知覚過敏」が起こりやすくなります。
3. 被せ物や詰め物が外れやすくなる
被せ物や詰め物は、日常的な力に耐えるように作られていますが、過剰な力がかかると接着剤が緩み、外れてしまうことがあります。
再装着や再治療が必要になることも少なくありません。
4. 顎関節症を引き起こすことがある
噛む力が強い人は、無意識に歯を食いしばる癖がある場合が多く、顎の関節に大きな負担をかけます。
「口を開けると音がする」「顎が痛い」「口が開きにくい」といった症状が現れたら、顎関節症の可能性もあります。
5. 歯のすり減り・咬耗(こうもう)
歯ぎしりや食いしばりによって歯の表面がすり減ると、噛み合わせの高さが低くなり、見た目にも老けて見えることがあります。
また、エナメル質が削れて象牙質が露出すると、痛みやしみの原因にもなります。
6. インプラントやブリッジにも悪影響
強い咬合圧は、天然歯だけでなく人工物にも悪影響を与えます。
インプラントではネジの緩みや骨との結合への負担、ブリッジでは支えの歯への過剰なストレスなどが生じることがあります。
◆ 対策方法
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**ナイトガード(マウスピース)**で夜間の食いしばりを防ぐ
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噛み合わせの調整を受ける
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ストレスや姿勢など生活習慣の見直し
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定期的な歯科検診で早期発見・早期対処
まとめ
咬合圧が強い人は、知らないうちに歯や顎にダメージを与えていることがあります。
「歯がよく欠ける」「朝起きると顎が疲れている」「詰め物がよく外れる」などの症状がある場合は、噛み合わせの専門的なチェックを受けてみましょう。
早めの対策で、歯を長く健康に保つことができます。





