
知覚過敏と歯ぎしりの関係とは?
冷たいものを口にした時や歯みがきの時に「キーン」としみるような痛みを感じたことはありませんか?
それは「知覚過敏(ちかくかびん)」と呼ばれる症状で、実は歯ぎしりが大きく関係していることがあります。
● 知覚過敏が起こるしくみ
歯の表面は「エナメル質」という硬い層で守られています。
しかし、このエナメル質がすり減ったり、歯ぐきが下がって「象牙質(ぞうげしつ)」という内側の層が露出すると、冷たい刺激やブラッシングの摩擦が歯の神経に伝わりやすくなります。
その結果、しみる・痛いといった知覚過敏の症状が起こるのです。
● 歯ぎしりが知覚過敏を悪化させる理由
歯ぎしりは、眠っている間などに無意識のうちに強い力で歯をこすり合わせたり、噛みしめたりする行為です。
この習慣があると次のような影響が出ます。
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エナメル質がすり減る → 内側の象牙質が露出
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歯に微小なヒビ(クラック)が入る → 神経に刺激が伝わりやすくなる
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歯ぐきが下がる → 歯根部が露出して刺激に敏感になる
つまり、歯ぎしりを続けることで知覚過敏を引き起こしたり、悪化させたりするのです。
● 放置するとどうなる?
歯ぎしりが続くと、知覚過敏だけでなく以下のようなトラブルも起こることがあります。
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歯が欠ける・割れる
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詰め物や被せ物が外れる
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顎関節の痛みや肩こり
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歯のすり減りによる見た目の老化
早めに対策を行うことが大切です。
● 対策と治療方法
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ナイトガードの使用
就寝時にマウスピース(ナイトガード)を装着して、歯ぎしりによるダメージを防ぎます。 -
正しいブラッシング方法
強く磨きすぎると歯ぐきが下がる原因になるため、やわらかい歯ブラシで優しく磨くことが大切です。 -
知覚過敏用歯みがき粉の使用
神経への刺激を抑える成分(硝酸カリウムなど)が入った歯みがき粉が有効です。 -
歯科でのコーティング・レーザー治療
露出した象牙質を保護したり、神経の過敏を和らげる処置を行うことができます。
● まとめ
歯ぎしりはただの「クセ」ではなく、歯の健康に大きな影響を与える習慣です。
しみる症状が続く場合は、知覚過敏の裏に歯ぎしりが隠れている可能性もあります。
早めに当院で相談し、適切なケアを受けることで、快適に過ごせるようになります。