
歯ぎしりで歯と歯茎に起きる変化とは?
寝ている間などに無意識に「歯ぎしり」をしている方は少なくありません。音がしないタイプの「くいしばり」も含めると、多くの人が何らかの形で歯や顎に負担をかけています。実はこの歯ぎしり、放っておくと歯や歯茎にさまざまな悪影響を及ぼすことがあります。
歯に起きる変化
歯ぎしりによって最も影響を受けるのが「歯そのもの」です。
過剰な力が長時間かかることで、以下のような変化が見られるようになります。
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歯のすり減り(咬耗)
強い力で上下の歯がこすれ合うことで、歯の表面(エナメル質)が削れ、平らになります。重度の場合は象牙質が露出し、しみる・痛いといった「知覚過敏」を引き起こすこともあります。 -
歯のひび割れや欠け
長期間の圧力で歯に細かい亀裂が入り、欠けたり、割れたりすることもあります。特に被せ物や詰め物をしている歯は、そこから破損するリスクが高まります。 -
歯の揺れや移動
強い咬合圧がかかり続けることで、歯を支えている骨(歯槽骨)が吸収し、歯が動いたり、ぐらついたりすることもあります。
歯茎や骨に起きる変化
歯ぎしりの力は、歯だけでなく歯を支える歯茎や骨にも影響します。
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歯肉の退縮(歯茎が下がる)
過度な力によって歯茎が徐々に下がり、歯の根元が見えるようになることがあります。これにより見た目が老けて見えたり、冷たいものがしみたりすることもあります。 -
骨の変形・吸収
歯を支える骨に過剰なストレスがかかると、骨が減ってしまうことがあります。歯周病がある方では、さらに骨吸収が進行しやすくなります。 -
歯肉の腫れや炎症
歯ぎしりにより局所的に力が集中すると、歯肉が炎症を起こし、腫れたり出血しやすくなることもあります。
放置するとどうなる?
歯ぎしりを放置すると、歯が短くなったり、噛み合わせがズレたり、顎関節に負担がかかって痛みが出ることもあります。見た目にも「歯がすり減って平ら」「歯茎が下がって長く見える」といった変化が起こり、審美面にも影響します。
予防と対策
歯ぎしりの原因には、ストレスや噛み合わせの不調、姿勢、睡眠中の癖などさまざまなものがあります。
一般的な対策としては、以下のような方法があります。
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ナイトガード(マウスピース)の装着
就寝中にマウスピースを装着し、歯への直接的なダメージを防ぎます。 -
噛み合わせの調整
噛み合わせが原因で一部の歯に力が集中している場合は、歯科医師が微調整を行うことで改善が期待できます。 -
ストレスマネジメント
歯ぎしりはストレス発散の一種として現れることもあるため、生活習慣の見直しも大切です。
まとめ
歯ぎしりは、ただの「クセ」と思われがちですが、実は歯や歯茎を少しずつ傷つける「無言の敵」です。
気づかないうちに歯がすり減ったり、歯茎が下がったりする前に、早めの相談・対策が大切です。
違和感を感じたら、ぜひ当院でチェックしてみましょう。





