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シザーズバイト(鋏状咬合)の弊害について
「シザーズバイト(鋏状咬合)」とは、上下の歯がハサミのようにずれて噛み合っている状態を指します。
通常、上の奥歯の外側の山と下の奥歯の内側の谷がしっかり噛み合うことで、食べ物をすり潰すことができます。
しかし、シザーズバイトでは上の歯が外側に、下の歯が内側に入り込みすぎてしまい、正しい咬合ができなくなっています。
■ シザーズバイトによる主な弊害
1. 噛む力のバランスが崩れる
本来、上下の歯が面で噛み合うことで力を分散しますが、シザーズバイトでは点で接触することが多く、
一部の歯に過剰な負担がかかります。
その結果、歯のすり減り・歯根への負担・知覚過敏などが起こりやすくなります。
2. 顎関節への負担
左右のバランスが崩れることで、噛み合わせ時に顎がずれたり、筋肉のバランスが崩れたりします。
そのため、顎関節症や開口時の痛み・カクカク音の原因になることもあります。
3. 歯周病のリスクが高まる
歯が正しく噛み合わないと、咀嚼効率が低下し、歯垢や汚れが残りやすくなります。
また、力の偏りによって歯肉や骨にストレスがかかるため、歯周病の進行が早まることがあります。
4. 見た目や発音への影響
シザーズバイトでは、上の歯列が外に張り出したように見えるため、横顔のバランスが崩れることがあります。
また、前歯が正しく接触しないことで、発音がしにくくなることもあります。
5. 矯正治療の難易度が上がる
シザーズバイトは単なる歯の位置異常だけでなく、顎の大きさや骨格のアンバランスが関係していることも多いです。
そのため、放置すると治療に時間がかかる・外科的治療が必要になる場合もあります。
■ 早期発見・早期治療が大切
シザーズバイトは、初期のうちは痛みや自覚症状が少ないため、気づかれにくい噛み合わせ異常です。
しかし、放置すると歯・歯茎・顎関節に長期的な悪影響を及ぼします。
矯正治療によって上下の歯列の位置関係を正しく整えることで、見た目の改善とともに、咬合機能を回復することが可能です。
■ まとめ
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シザーズバイトは「ハサミのようにずれた噛み合わせ」
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歯や顎関節に負担がかかり、見た目や発音にも影響
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放置せず、早めに歯科・矯正歯科で診断を受けることが大切





